病気やけがをした時に、ほとんどの方が初めての治療を経験することになると思います。
実際、どういう治療がされていたり、できるのか知っておくことが紹介できればと思い「治療レポート」と題し、お伝えいたします。
【治療・処置名】
皮下補液(ひかほえき)
【どういう時にするの?】
軽度の脱水している体に水分を補給してあげるために行います。
脱水は慢性腎臓病で体の水分が尿より過剰に捨てられてしまっていたり、吐き下しで胃腸から水分が失われている等でおこります。
また脱水がなくとも、胃腸の動きか悪かったり軽い体調不良などで電解質(イオン)や体のphなどを調整するときにも行います。
【処置の実際】
首の付け根や背中の皮下組織(脂肪)に輸液剤を注射で投与します。
投与量や皮下組織の状態にもよりますが、注射したところに一時的にボールのようなしこりができます。
動物は人間より皮下組織の柔軟性、伸展性が非常に高く、痛みは感じません。
メリットは短時間で通院で処置ができることです。
皮下組織に入った点滴剤は、毛細血管から少しずつ吸収されます。病院で注射を我慢できたら、お家に帰って普段通りの生活をして
いれば少しずつ吸収されます。
植物に水やりをするのと同じイメージです。土(皮下組織)にたっぷりと与えた水(輸液剤)を根っこ(毛細血管)で吸収します。
【その他】
簡単で効果が高い処置ですが、重度の脱水があるときにはお勧めできません。静脈より点滴として処置することが必要です(入院)
当院にてお待ちの時に、他の子が皮下補液の処置をしているところをご覧になった方も多いかと思います。
当院では青いバッグに仕込まれた輸液剤を長い管を通して注射しています。ほとんどの子が慢性腎臓病の継続治療として処置
している子です。
最近は慢性腎臓病の子に対して、通院せずに飼い主様ご自身で自宅にて皮下補液をしている方も多くいらっしゃいます。
自分で注射なんて、とてもとても・・・と思われる方もいらっしゃるかと思いますが、当院では1か月間(8回)位のトレーニング
をしていただければ、ご自宅での処置が可能だと思います。
ご希望の方はお問い合わせください。
1枚目の写真:獣医師による皮下補液
2枚目の写真:トレーニングを受けている飼い主様