従来より、犬のワクチン接種は1年に一回の追加接種をするプログラムで行われてきました。
当院でもそのように指導させていただき、幸い大きな副作用など経験することはなく済んでおりますが、命にかかわるような重大な副作用の報告があるもの事実です。
折角のワクチン接種ですから・・・
・ちゃんと機能しているか?(全く機能しない個体もいます)
・副作用の発現を回避するために、できるだけ接種回数を減らして効率的に予防したい
という事に関心があって当然だと思います。
また、近年ペットは長寿化がみられます。
「年老いた犬にワクチン接種が必要ですか?」
「体調を崩すきっかけになりはしないか?不安です。」
といったご相談もよくいただきます。
従来は飼い主様にワクチンのメリットデメリットをご理解いただき、それに獣医師の検診結果を伝え、ご相談のみで接種の有無を決めていましたが、肝心のワクチンの効果がどうなのかはお伝えできませんでした。
ワクチンの効果を判断できる「抗体価」という指標が院内で調べることができるようになりました。
「抗体価」がしっかり維持されていれば、無理して追加接種しなくても良いという判断がし易くなります。
また、必要に応じてピンポイントのワクチン接種も可能になります。(ジステンパー+パルボの2種のみの接種など)
コアワクチンとされる「犬ジステンパー」「犬アデノウイルス」「犬パルボウイルス」については少量の血液検査で調べることができるようになりました。
ワクチン追加接種時にチェックする以外でも、併せて健康診断のための血液検査時にでも気軽にチェックできます。
ご興味、ご関心のある方は獣医師や看護師にお気軽にお問い合わせください。
もちろん、従来通りの年一回接種も承っておりますので、ご安心ください。
【1枚目】 2頭分の抗体価を測定したもの、4つのスポットに発色が認められます。
【2枚目】 コントロールの発色が基準となります。
左の子は他の3つのスポットがコントロールより濃い発色となっており、すべて抗体が高く良い状態です(すべて陽性)
右の子は「ジステンパーウイルス」部が薄いため、ジステンパーのみ陰性で、追加接種を考慮する必要があります。